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PBPの2年後に、4年に1度スペインで開催されるブルベ、それがMGM(Madrid-Gijon-Madrid)です。今回が3回目という少ない情報の中、情熱の国を走ってまいりました。 |
Introduction 最近日本のブルベは大盛況で、とても素晴らしいことです。しかし僕のように、締切ギリギリに「空いていれば申し込もうかな?」程度の意識でいると、定員が埋まりどのブルベにも参加できない、そんな状態でもあります。 2013年、僕はスペイン1200kmの大会Madrid-Gijon-Madrid(以下MGM)にエントリしていて、参加資格としてスーパーランドナー(SR)の取得が必要でした。うっかり忘れては大変です。そこで九州一周のヘブンウィークに参加し、一気に取得することにしました。 |
ヘブンウィーク
新しいフレームで参加した僕は、一緒に走った人からまずこう言われました。 (' ・ω・`)
この時あたりは真っ暗でしたが、僕は右写真のジャージを着ていました。 ('・ω・`)
ブルベ人口を増やすために僕ができること。それはスタッフ参加ではなく、楽しいレポートを書いて誰でも参加できると示すことだと思っていました。すべて逆効果だったのでしょうか……? |
受付
僕には夏休み日数の都合があり、今回は観光をしている時間がありません。でも、受付後に、参加者と一緒にレストランに向かう機会がありました。外に出て思うのはとにかく「暑い!」これにつきます。直射日光が厳しすぎるのです。しかし湿度が低いので、日陰に入れば快適です。
だから、「俺はレインジャケットを持っていかないぞ!」なんて声が聞こえます。なるほど、確かにこの大会にはドロップバッグが無いので、余分な荷物は減らしたくなります。でも、長いことブルベをやっているとその手の情報を安易に信じてはいけないことはわかってくるわけです。僕は念のため、5℃までは耐えられる装備を持ちました。 |
スタート
スタートは20時でしたが、気温は37℃。自販機でコーラと水を購入してやり過ごします。イタリア人チームと一緒に走る金田さん、電動シフトで挑むakikoさんと挨拶を交わし、日本からの参加者3名はバラバラに走り出しました。 |
越冬
寒いけれど眠気はやってくるもの。「牛注意」の標識の下で何回か仮眠し、峠を越えていきます。すると日が昇ってきました。辺りは見る間に鮮やかな色彩を取戻し、生き物の時間が戻ってくるようでした。「ああ、早く暖かくなってくれ!」 |
矢印
大きな市街地が近づき、ルート上に矢印のシールが現れました。スタッフが現地で直接迂回経路を示したものです。なにしろキューシートに情報が無いので、気を付けないと。1つでも見失ったら、自分でそれに気づくまで、大きくコースから外れてしまいます。 |
熱中症
ブルベでは初日にたくさん走った方が後が楽になりますよね。宿泊ポイントとして、440km地点のPC6と530km地点のPC7、どちらを選ぶかはとても重要でした。このとき18時を過ぎてPC6まであと30km。その先はずっと下り坂。これなら日付が変わるまでには120km先のPC7に余裕で着ける。そう思いませんか? |
PC6宿泊と休息
自転車を降りて数歩歩くと、途端に気持ち悪さが急増しました。ブルベカードにチェックを受けた後、立てなくなりました。とても走り出せる状態ではありません。 |
折り返し・ヒルクライム
スペイン北部は南とだいぶ天候が異なります。水分が多く、朝露さえ見た気がします。それでも日が昇ると気が遠くなる暑さであることは間違いありません。なにしろ気温48℃ですから。どうしてこうも極端なんだ? そして目の前の坂を登り続けていくと……なんとも鮮やかな青色が! そう、あれはビスケー湾です。この視線の遠く先には、PBPの往復地点、ブレストもある。またここまでやって来たぞ! 感慨に浸りながら、今回の往復地点、ヒホンに到着しました。あとはもう、帰るだけです。 |
最終日・お買いもの
スペインでの食糧の入手は簡単だと踏んでいましたが、夜間は店も開いていないし、PCにはお菓子しかなく、特に塩分が採れませんでした。レストランでくつろげるほど時間的余裕はありません。そこでスーパーに入って買い物です。スペイン語しか通じないので、精神的なハードルが高いのですが…… |
再会!
ものすごい勢いで日本人女性が追いかけてきました。Akikoさんです。話を聞くと、あんな寒さは聞いてなかったということ。早々にDNFを決定したけれど、PC6から折り返して走っているというのです。 |
風車の群れと日没
Castilla、いよいよ最後の峠が待っています。登るにつれて、風車がチラホラと見えてきます。その数は3、4つから10、20、いや……100本は立っているのでは!? 急げば日没に間に合う。そう気づいて、僕は必死にペダルをこぎました。そして……わずかに日没より早く、僕は峠にたどり着きました。振り返ると一面の風車が太陽を見て回っています。こんな風景を連日見てきました。そう、これはまさしく巨大な一面のヒマワリ畑!! 写真を撮りまくっていたら、地元のMTB乗りが登ってきました。 |
ゴール
最後のPCで仮眠し、夜明けを前に僕はマドリッドへ向けて走り出しました。徐々に白んでゆく空に、月と太陽が同時に出ています。その間には、飛行機がつけたいくつもの白線。明日は僕も、あの一本を辿って家に帰るのです。 |
走行記録
スペインは美しく最高でした。ただし砂漠のような気温変化には、充分ご注意ください!
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Report & Photo HIROSHI Imaizumi August 2013
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